第386回 冷水浴と疲労回復感


激しい運動後に14℃の冷水浴を15分することで、体幹温度が大きく下がり、且つ、疲労回復感が得られ、翌日の運動パフォーマンスが向上する。
30℃の温水浴は、入浴しないで回復を待つよりもベターだが、冷水浴に比べると劣る。

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British Journal of Sports Medicine
4 January 2013
Individual perception of recovery is related to subsequent sprint performance

研究テーマ:
疲労回復感と運動パフォーマンスの関連性

背景:
トレーニング後の疲労回復は、順応やパフォーマンスの為のみならず、累積疲労とオーバートレーニングに伴う症状を避けるためにも不可欠である。
その回復戦略として冷水浴(CWI)が一般的であるが、生理学的および生化学的な根拠は明らかになっていない。本研究の目的は、冷水浴の体温反応と個々人の回復感が、その後の運動パフォーマンスにおいて関連性を持つのか評価することである。

方法:
12名の男性ラグビー選手を被験者として、3週間のクロスオーバー実験を行った。
その内容は、60分の激しい運動直後に15分間、14℃の冷水浴、30℃の温水浴、及び対照群(入浴せずそのままの状態で回復待ち)のいずれかをやらせた。
運動後の体温および回復のサブジェクティブレーティング(主観的評価)を記録し、24時間後の5x40mの反復スプリントでのパフォーマンスとの関連性を調べた。

結果:
温水浴と対照群に比較して、冷水浴をすることで体幹温度を大きく下がり(効果サイズ1.05–3.21)、その後のスプリントのパフォーマンスが向上した。
因みに、温水浴の効果サイズは1.04±0.84、対照群の効果サイズは1.44±0.84であった。
入浴後60分の体温低下(r=0.6948; p=0.0121)と回復のサブジェクティブレーティング(r=0.5886; p=0.0441)のいずれも、その後に行ったスプリントのパフォーマンスに関連した。これら二つの要素が統合されたときに、非常に強い線形相関が認められた(r =0.7743、P =0.0031)。

結論:
生理的指標と心理的指標を組み合わせると、その後の運動パフォーマンスが改善することが分かった。トレーニングによる疲労回復を高める上で、個々人の知覚が重要な役割を持つことを示唆している。

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