第462回 思春期少女の骨格筋とエストロゲンの変化


筋骨格とエストロゲンは、思春期の少女の成長スパート中に変化する。

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Medicine & Science in Sports & Exercise:
January 2013 Vol45
Musculoskeletal and Estrogen Changes during the Adolescent Growth Spurt in Girls

イントロ:
思春期の成長スパート(加速現象)は急速な成長とホルモンの変化に関連しており、女子の前十字靱帯損傷のリスク増大に寄与すると考えられる。しかし、筋骨格およびエストロゲンの変化との関連性については明らかになっていない。

目的:
思春期女子のエストロゲン、並びに前膝の弛緩・下肢の強さと柔軟性の長期的な変化を調査する。

方法:
二次性徴の評価には、Tannerの性成熟度分類が広く用いられており、Tanner 2度が思春期発来時期である。本研究では、Tanner2度及び身長の増加速度のピークから4–6月経過した10~13歳の健康な女子33名を被験者として募集された。
被験者は成長スパートの12ヶ月の期間に4回の成熟度オフセットテストを受けた。
テスト1:-6ヶ月 ~ -4ヶ月、
テスト2:0ヶ月
テスト3:+4ヶ月
テスト4:+8ヶ月
各テストセッション中に、前膝弛緩、下肢の柔軟性、等速性筋力、並びにエストラジオール濃度の唾液測定を実施した。

結果:
エストラジオール濃度の変化は見られなかったが(P =0.811)、前膝弛緩の有意な(P =0.811)時間効果は身長の増加速度のピーク時から認められた。
被験者の大腿四頭筋の等速性筋力は有意に増加したが(P <0.05)、ハムストリング(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)筋力の増加は認められなかった。

結論:
思春期成長スパートの女子における、大腿四頭筋力増/膝弛緩増/ハムストリング未発達は、着地動作中の膝関節の安定性の低下に結びつくと推測する。これらの筋骨格系の変化は、潜在的に急速な身長と下肢成長時に、前十字靭帯損傷のリスクを高めるであろう。