第563回 Thigh Gap(太ももの隙間)


10代の少女や若い女性の間で、両足をそろえて立っても、太腿が付かないほどスレンダーな足が憧れの的となっています。
美脚への執着は今に始まったことではないですが、ソーシャルメディアの影響が非常に大きく、Facebook、ブログサービスTumblr、画像共有サイトPinterestには、「成功」を見せびらかしたい少女や、逆に自分では「失敗」だと思っている少女たちが投稿したサイギャップ(太ももの隙間)の写真があふれ返っています。

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写真のように実際にサイギャップの痩せたモデルはいます。
しかし、大半の女性にとっては、遺伝(骨格)により太ももの間に隙間ができるようにはなっていないそうです。従って、過激なダイエットや運動をしてもサイギャップは不可能であり、儚い夢でしかないということです。

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臨床心理学者Barbara Greenberg女史は、『非現実的な執着心を持ってしまった少女たちは危険な道に入りかねない。ますますプレッシャーを感じ、抑うつ状態や自殺行為に及ぶことさえある。深刻な摂食障害は脳や骨に何年も続く悪影響を与えることもある』と警鐘を鳴らしています。

雑誌やテレビなどのマスメディアが「痩せた理想像」をあおっているのは事実ですが、体型と社会的ステータスを結びつける紛れもない「トレンド」があるという指摘もあります。

米国で2008年~2011年に医学生300人を対象に調査したところ、『医学生の39%は肥満に対し無意識の差別意識を持っていた。やせに対する無意識の差別意識は17%だった。そして、自らの差別意識に気づいている医学生は25%未満であった』という結果が示されています。

サンノゼ州立大学の社会学者Natalie Boero女史は、「痩せ願望は、社会に認められ、適応したいことの表れ」であり、「若い女性は、自分たちが性差別的で体型差別的な文化の中にいること、自分たちの体は通貨と一緒なことに気付いていて、その上で社会における自分の価値を上げようとしている」と語っています。

カリフォルニア大学の身体イメージに関する専門家Abigail Saguy女史は、「痩せることが、社会的地位が高いことを示しめす一つの方法となっている」、それよりも悪いのは「太っていることが、現在の社会的地位の低さと結び付くだけではなく、将来の社会的地位の低さまで予言しかねないことだ。研究では、太っている少女や女性ほど雇用されにくく、雇用された場合も賃金がより低いことが示されている」と指摘しています。

マイコメント
なんだかんだ言っても、世間の肥満者を見る目は “第379回のポッチャリとデブの違い”に書いている通りでしょうね。
スリムになることは素敵なことですが、“欲深き人の心と降る雪は積もるにつれて道を失う”に陥ってはいけない。
関連記事をじっくり読んで、女性特有の脂質代謝を十分に理解しつつ、正しいウェイトマネジメントを実践することで 魅惑的な女性を目指してください。

参照記事:
USA Today(2013年10月4日)
AFPBB News(2013年10月5 & 8日)

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