第781回 米国糖尿病学会が推奨する栄養療法(飲酒)


米国糖尿病学会が推奨する栄養療法” について、『アルコールの項目に関する補足説明』の部分を和訳します。

画像


アルコール

If adults with diabetes choose to drink alcohol, they should be advised to do so in moderation (one drink per day or less for adult women and two drinks per day or less for adult men). (E)

糖尿病患者が飲酒するなら、適量(成人女性は1日1杯以下、成人男性は1日2杯以下)とすべきである・・・E

Alcohol consumption may place people with diabetes at increased risk for delayed hypoglycemia, especially if taking insulin or insulin secretagogues. Education and awareness regarding the recognition and management of delayed hypoglycemia is warranted. (C)

糖尿病患者では、飲酒は特にインスリンまたはインスリン分泌促進剤を使用している場合には、遷延性低血糖症のリスクを高める可能性がある。従って、遷延性低血糖症の認識と管理に関する教育と自覚が不可欠である・・・C

<補足説明>
適量の飲酒は糖尿病患者の血糖に微小な急性的/長期的な悪影響を及ぼすが、いくつかの疫学データは適量摂取での血糖コントロールの改善を示している。
亦、適量の飲酒は糖尿病患者の心血管リスクや死亡率にもプラス効果をもたらすと考えられているが、アルコールの種類そのものがこれら有益効果を左右しているのではない。
従って、糖尿病患者ための飲酒についての推奨事項は一般集団の場合と同じである。
成人の糖尿病患者が飲酒する場合は、女性は1日当たり1サービング以下、男性では2サービング以下に抑えるべきである。常に適量を超えて飲酒すると高血糖症の原因になる可能性もある。1サービングとはビールであれば12オンス、ワインで5オンス、蒸留酒では1.5オンスと定義づけられ、約15gのアルコールが含まれている・・・(参考)1オンス=29.573mlゆえにビールであれば350ml缶に相当する。
しかし、アルコール乱用または依存症の既往歴がある人、妊娠中の女性、並びに肝疾患、膵炎、高度の神経障害、或いは重度の高トリグリセリド血症のような症状の人は、飲酒を自制するよう指導されるべきである。
適量の飲酒は血糖や心血管に有益と考えられるが、糖尿病患者には遅発性低血糖症のリスクが増大する可能性があり、このことは特にインスリンやインスリン分泌促進剤を使用している人に当てはまる。食物と一緒にアルコールを摂取すると、夜間低血糖の危険性を最小限に抑えることができる。糖尿病患者は、遅発性低血糖症に対する認識と管理、並びに飲酒後には血糖値をこまめに自己モニタリングする潜在的な必要性があることについて教育を受けるべきであろう。

関連ブログ記事
第14回 お酒と健康
第694回 適量なら酒は百薬の長!?