第792回 運動時の摂取水の温度が代謝性熱産生に及ぼす影響


カナダOttawa大学から、中程度強度運動中に冷水の代りに温水を飲んでも、体温調整の優位性はないことが報告されました。

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Medicine & Science in Sports & Exercise:
Post Acceptance: September 25, 2014
Temperature of Ingested Water during Exercise Does Not Affect Body Heat Storage.

目的:
運動時の摂取水の温度が熱バランスに及ぼす影響を調べることである。

方法:
年齢25±3歳の健康な男性10名に自転車に乗ってもらった。
運動強度はVO2max50%(代謝性熱産生の当量率523±84W)
50℃温水または1.5℃冷水を飲みながら、室温25℃/湿度25%の環境で75分行った。
3.2mlの温水または冷水を運動5分前、運動開始後15分、30分、45分に割り当てた。
総熱損失(HL=蒸発性熱損失HE±乾熱交換HD)及び代謝性熱産生は直接/間接熱量測定法で測定した。 
体熱量の変化(ヘモグロビン増加)は代謝性熱産生と熱総損失の時間的加重として測定し、摂取した水分から熱伝達の変化を調整した。

結果:
各群間における代謝性熱産生の絶対値差分(209+/-81kJ:約50kcal;1kcal=4.184kj)は、節水の絶対値差分(204+/-36 kJ)と同様であった(p=0.785)
更に、代謝性熱産生での差異は、乾熱交換は条件による違いは見られないので、主として蒸発性熱損失における変化(温水1538+/-393 kJ; 冷水: 1358+/-330 kJ)相当であると説明し得る。したがって、ヘモグロビン増加の差は、運動中の温水摂取(364+/-152 kJの)と冷水摂取(363+/-134 kJの)との群間差は観察されなかった(p=0.971)。

結論:
本研究は、運動時の温水摂取が冷水に比べてより大きな熱産生を誘引することを示している。
然し、この反応は、ヘモグロビン増加が条件間で類似していることが証明されているように、摂取した水分の熱を補てんするのみであった。従って、我々の知見は、冷水摂取に比べて温水摂取には体温調節の優位性はない事を示している。温水および冷水いずれを摂取しても、75分の中程度(moderate)強度のエクササイズ中に保存された熱は同量であった。

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