第857回 カロリー制限+運動の組み合わせはインスリン感受性の改善にベスト


「同じく減量しても、カロリー制限と運動を組み合わせて行ったグループは、カロリー制限のみ、或いは運動のみのグループに比べてインスリン感受性は2倍向上した」ことを、米国セントルイス大学の研究グループが糖尿病の専門誌であるDiabetes Careに2015年4月15日付けで報告した。

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Diabetes Care
Apr15 2015
Calorie Restriction and Matched Weight Loss From Exercise: Independent and Additive Effects on Glucoregulation and the Incretin System in Overweight Women and Men

目的:
カロリー制限と運動を組み合わせて減量すると相乗効果があるのかどうかは明らかになっていない。カロリー制限+運動による減量が、それぞれ単独で行うよりもインスリン感受性を改善し、インスリンの分泌を促すインクレチンが運動への順応に関与しているのではないかという仮説を立てた。

研究デザイン及び方法:
年齢45~65歳のセデンタリーで過体重の男女52名を被験者として、無作為にカロリー制限群、運動群、及びカロリー制限+運動群の3群に割り付けて6~8%の減量を行ってもらった。
経口ブドウ糖負荷試験(FSOGTTs)を行い、グルコース、インスリン、C-ペプチド、インスリン感受性、およびインクレチン(GLP-1/GIP)を測定した。
インスリン分泌に及ぼすインクレチン効果は、経口ブドウ糖負荷試験によるインスリン分泌率をグルコース注入によるインスリン分泌率と比較して測定した。

結果:
総ての群で同様の減量が見られたが、インスリン感受性評価の指標値は“カロリー制限+運動群”が最も高く、“カロリー制限群”および“運動群”それぞれ単独の2倍であった。
カロリー制限+運動群:2.09 ± 0.35 μmol/L/kg/pmol/L × 100
カロリー制限群:0.89 ± 0.39 μmol/L/kg/pmol/L × 100
運動群:1.04 ± 0.39 μmol/L/kg/pmol/L × 100

食後GLP-1濃度はカロリー制限群のみで減少した(P = 0.04)
食後GIPは全ての群で減少した。
インスリン分泌に及ぼすインクレチン効果は不変であった。

結論:
食事制限と運動は糖調節に有益な相乗効果を有している。
亦、カロリー制限への順応は食後GLP-1濃度の減少を伴うとみて良いでしょう。
これらの結果はカロリー制限および運動のいずれもが最適な健康を促進することを強調している。しかし、研究から離脱または介入に遵守しなかった被験者のデータは除外されているので、この結果は蓋し健全なライフスタイルの介入に遵守し得る人たちに制限されるものであると言えよう。