第886回 情報操作ダイエット


情報操作とは与える情報(証言、記事、写真、映像)を制限したり、虚偽または虚偽にならない範囲で改変することによって、その情報を受け取った者が受ける印象や判断結果に影響を与えようとする行為です・・・wikipedia

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米国コロラド医科大学/コロラド大学/コロラド州立大学/Denver VA メディカルセンターによる研究報告です。

American Journal of Clinical Nutrition
Jun24 2015
Harnessing the power of disgust: a randomized trial to reduce high-calorie food appeal through implicit priming


背景:
高カロリー食品が容易に入手でき肥満がますます蔓延していく環境下で、食品の選択は体重や健康に大きな影響を及ぼす。刺激の感情価(ポシティブ or ネガティブ)を繰り返して習得した食べ物の好みは、高カロリー食品へのポシティブな情動が強くなる場合には肥満感受性つまり肥満化をもたらす要因になる。従って、食べ物に対して自動的に喚起される情動を変えることは、健康的な食行動を促進するための実行可能な戦略になるかも知れない。

目的:
本研究では、暗示的なプライミング効果が食べ物に対する視覚的刺激反応を変え得るか評価的条件付け手法で検討した。主目的は、高カロリー食品に対して暗示的に嫌悪感を抱かせて嗜好を損なわせることである。

デザイン:
参加者を無作為に2群に割り付けた。
介入群22名には高カロリー品に対するネガティブな画像で、低カロリー食品にはポシティブな画像で暗示的プライミングを行った。
対照群20名には否定的でも肯定的でもないニュートラルの画像を見てもらった。
暗示的プライミングの直前/直後に食べたい食品のランク付けをして貰った。

結果:
暗示的に嫌悪感を抱かせて嗜好を損なわせるという本研究の主目的は、“高カロリー vs 低カロリー食品(P<0.001)”、並びに、“介入群 vs 対照群(P=0.025)”において有意な効果が観察された。

事後検定(post hoc test)で、対照群よりも介入群において高カロリー食品を食べたいと思う気持ちが有意に減退したことが同定された(P = 0.036)

更に、介入群では高カロリー食品に対して食べたいという気落ちが有意に減退した(P=0.001)

介入に含まれていない高カロリー食品に対してまでも効果は波及し、般化効果があることが示唆された。

加えて、高カロリー食品を食べたくないという気持ちは介入後3~5日間継続し(P < 0.007)、永続効果があることが示唆された。

結論:
本研究は、暗示的プライミングを用いることで高カロリー食品への嗜好が変わり、健康的な食習慣を促進する可能性があることを示す初めてのエビデンスである。

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マイコメント
セールスでもプライミング効果は活かされます。
しかし、「自動車免許の延長で警察署に行った際、痛ましい事故のVTRを見せられるのも同様の効果を狙ったものだ」という人がいますが、これはダイレクトに注意を促す“戒め効果”でしょう。
「好きな人を振り向かせるには活用できるが、別れたいときは全く役に立たない」と友人が言っていましたが、これは第三者を介した“やらせ効果”でしょう。
くだらないコメントで失礼しました(笑)