第939回 牛丼を食べてりゃ医者いらず?


昨年末、WHOの専門機関である国際がん研究機関(IARC)が、「ソーセージなどの加工肉に発がん性がある」と発表したことに、国内外でおおきな反発が広がったことは記憶に新しい。そんな中で勢いに乗るかのごとく、牛丼チェーン大手の吉野家が「牛丼の具を3カ月間、毎日食べ続けても、生活習慣病の原因となるメタボリックシンドロームを引き起こすような体重、体脂肪率、血圧、中性脂肪、コレステロール類、血糖値などの変化はなかった」旨の調査結果を発表しました

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~「吉野家の牛丼の具」の長期連続摂取に関する研究~


20歳から65歳未満の成人男女24名(血糖値正常高値、境界型合計5名を含む、平均年齢44.8±8.5歳)を対象に、日常生活の中で吉野家の「冷凍牛丼の具」*2)を毎日必ず1食を加えて摂取することを12週間継続していただきました。開始前と開始後で、身体計測及び生理学的検査(体重、BMI、体脂肪率、血圧、脈拍数)、臨床検査値、尿定性検査値の変動と、有害事象の有無、種類、頻度、重症度を調査し、試験責任医師らにより評価を受けました。またその他に、食事内容(回数、量)、飲酒量、運動量、便通、睡眠時間、特定保健用食品などの摂取、自覚症状、医療機関の受診、治療内容、医薬品の使用などの調査を日誌調査により行いました。

<結論>
通常の食事にプラスした吉野家の「牛丼の具」の12週間連続摂取は、生活習慣病の原因となるメタボリックシンドロームにつながる、体重や体脂肪率、血圧、中性脂肪、コレステロール類、血糖値などの有意な変動を引き起こしませんでした。吉野家のお店の牛丼(並盛)は、牛丼の具にご飯を茶碗約1.5杯分組み合わせたものです。
その栄養分析の結果、たんぱく質、炭水化物、脂質、食塩について、2015年食事摂取基準で示されている1日の摂取基準を単純に3で割って求めた1食分の摂取量に対し、過剰になるような栄養成分はありません。また、吉野家の牛丼の具の脂肪酸分析の結果、脂肪酸の半分は飽和脂肪酸(エネルギーになる脂肪酸)であり、残りのほぼ半分は、オレイン酸(オリーブオイルに多く含まれるオメガ9系脂肪酸で、LDL-コレステロールが下がるなどと言われています)であることが判っています。現代の食生活で過剰摂取が心配されているオメガ6系脂肪酸は、吉野家の牛丼の具にはほとんど含まれていません。
これらの分析結果は、牛肉の分析結果ではなく、牛肉、玉葱、タレの材料、調理工程などを含め、吉野家の製法によって製造された吉野家の牛丼の具(タレを含む)をそのまま分析した結果です。タレに含まれる栄養成分や製法が異なれば、当然分析結果は異なりますので、すべての牛丼の具に当てはまる話ではありません。従って今回の連続摂取の結果は牛丼の具一般に言えることではないと思われます。

栄養分析結果から、私たちは吉野家の牛丼の具には生活習慣病を誘導もしくは増悪するリスクはないと推定していましたが、今回実際に吉野家の「冷凍牛丼の具」を食事とともに12週間摂取していただいた健常成人男女および、血糖値の高めな方々においても、摂取前と後でなんら健康リスクが増加する兆しは見られなかった事を皆様にご報告させていただきます。

注)吉野家の「冷凍牛丼の具」は、上記のように血液データに影響を与えるものではないとの結果を得ておりますが、他のものと組み合わせて献立とする場合、脂質、糖質に偏りがちなメニューでは、血糖が高めの方や中性脂肪が高くなりやすい体質の方は、血液データに変化をもたらす可能性があります。バランスの良い献立としてお召し上がりください。
また吉野家の「冷凍牛丼の具」は牛丼としてだけでなく他の食材と組み合わせて肉じゃがなどのメニューに活用するのも便利です。毎日の献立に安心してお役立ていただけます。吉野家「冷凍牛丼の具」は、吉野家公式通販ショップでご購入できます。

マイコメント
上記に対して、“「牛丼食べ続けてもメタボにならない」に医師が待った!”と云うタイトルで、総合病院に勤務する女性医師の辛口コメントが健康百科に寄せられています。
扨て、2015-2020 Dietary Guidelines(改訂版)が2016年1月7日付けで公表されていますが、ここではred meats(赤肉)はどのように評価されているのでしょうか?
次回のトピックスで取り上げます。