第1060回 ポートフォリオダイエットってご存知ですか?


ポートフォリオダイエットは、カナダToronto 大学のDr David Jenkinsが考えたもので、一口で言うと“コレステロール値を下げる食事”で、定期的な身体活動とベジタリアンな植物中心の食事に加えて、次の4アイテムの食品を食すことを勧めています…摂取カロリー2000kcal/1日をベースにすると、(1)ピーナツを含むナッツ類42g、(2)大豆製品やエンドウ豆、ヒヨコマメ、レンズ豆などの植物性たんぱく質50g、(3)オオムギ、オオムギ、オオバコ、ナス、オクラ、リンゴ、オレンジ、果実などの可用性食物繊維20g、(4)植物ステロール2gです。

糖質制限ダイエットでは薦められるステーキなどの飽和脂肪酸を多く含む赤肉(牛肉、豚肉、羊肉など)は、新研究では歓迎されていません。

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「ポートフォリオダイエットが悪玉コレステロールを17%低下させるだけでなく、冠動脈疾患の全般的なリスクを13%低下させる」ことが、カナダ・トロント大学のDr.John L.Sievenpiperaらによる新研究で明らかになりました。

Progress in Cardiovascular Diseases
2018/9/3
Portfolio Dietary Pattern and Cardiovascular Disease: A Systematic Review and Meta-analysis of Controlled Trials


背景:
コレステロール値を低下させる食品(ナッツ、植物タンパク質、可溶性食物繊維、植物ステロール)を組み合わせた植物ベースの食事パターンであるポートフォリオダイエットの科学的根拠(エビデンス)は未だまとめられていない。

目的:
栄養療法のための欧州糖尿病臨床診療ガイドラインをアップデートするために、対照臨床試験の系統的レビューとメタ解析を行い、LDL-C(悪玉コレステロール)やその他の心血管疾患リスク因子を標的とした脂質低下療法にポートフォリオの食事パターンが及ぼす影響を調べた。エビデンスの確実性はGRADEアプローチで評価した。

方法:
MEDLINE、EMBASEおよびThe Cochrane Libraryを用いて,2018年4月19日までのデータを検索した。エネルギーをマッチさせた対照群に比べて、ポートフォリオダイエットが心血管代謝リスク因子に及ぼす影響を評価している対照試験(期間≧3週間)を対象とした。独立した2名のレビューアがデータを抽出しバイアスリスクを評価した。主要アウトカムはLDL-Cとした。データを一般的な逆分散法を用いてプールし、95%信頼区間(CI)とともに平均差(MD)で表した。異種性を評価し(Cochran Q statistic)、定量化した(I2-statistic)。証拠の確実性はGRADEで評価した。

結果:
高脂血症の439人を比較した7つの試験が適格基準を満たした。
ポートフォリオダイエットとNCEP Step II食を組み合わせると、NCEP Step II食のみと比べて主要評価項目のLDL-Cが17%(MD、-0.73mmol / L、95%CI、-0.89〜-0.56mmol / L)まで有意に低下した。NCEPステップⅡのみと比較して、非高密度リポタンパク質コレステロール、アポリポタンパク質B、総コレステロール、トリグリセリド、収縮期血圧および拡張期血圧、C反応性タンパク質および推定10年間の冠状動脈性心疾患(CHD)リスクも有意に低下した(p <0.05)。高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)や体重には影響はなかった。証拠の確実性は、LDL-コレステロールおよび大部分の脂質アウトカムについては高く、他のアウトカムについてはほどほどだった。

結論:
ポートフォリオダイエットが、LDL-C及びその他の心血管代謝リスク因子やCHD10年推定リスクの臨床的に有意な改善につながることをエビデンスが示しています。