第1065回 地中海ダイエットで中高年女性の脳卒中リスクが低下


英国East Anglia, Aberdeen and Cambridge大学の共同研究で、魚、果物、ナッツ、野菜、豆が豊富で、肉や乳製品が少ない地中海スタイルの食生活で、40歳以上の女性の脳卒中リスクが低下し、心血管疾患リスクが高い成人の脳卒中リスクも軽減することがわかった。

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Journal of the American Heart Association
2018/9/20
Mediterranean Diet Reduces Risk of Incident Stroke in a Population with varying Cardiovascular Disease Risk Profiles.

背景と目的:
地中海食が脳卒中リスクを予防することを示すエビデンスは幾つかあるが、性別や心臓血管疾患リスクによって異なるかどうかは殆ど検討されていない。

方法:
前向きコホート観察研究
英国のがん調査研究 “European Prospective Investigation into Cancer study in Norfolk”に参加した40~77歳の白人男女(女性54.5%)23,232名を対象として、地中海食スコアへの遵守度と卒中発症リスクとの関係を調べた。
多変量Cox回帰を用いて全人口および男女別、更にFraminghamリスクスコアを用いて心臓血管疾患リスク別に脳卒中リスクを計算した。

結果:
17年間の追跡調査(395,048人年)の間に、2009名が脳卒中を発症した。
の脳卒中発症リスクは、地中海スタイル食への遵守度が最も低い群に比べて、最も高い群では、全体では17%減(ハザード比0.83,95%CI、0.74-0.94、P-trend <0.01)、女性では閉経状態やホルモン補充療法に拘わらず22%減(ハザード比0.78; 95% CI, 0.65, 0.93; P-trend <0.01)、男性では6%減(ハザード比0.94; 95% CI, 0.79–1.12; P-trend =0.55)だった。

また、脳卒中リスクは地中海食スコアすべてにおいて心血管疾患リスクが最も高い群で13%減少 (ハザード比0.87; 95% CI, 0.76–0.99; P-trend =0.04) した。これは女性の20%減(ハザード比0.80; 95% CI, 0.65–0.97; P-trend =0.02)が起因している

結論:
地中海食への遵守度が高くほど脳卒中リスクは低下した。地中海食スコアと心血管疾患リスクとの関連を調査したのはこの研究論文が初めてである。この研究で得られた知見は女性との関連が大きいが、脳卒中を予防するにあたって一般の人々や臨床医にとっては意味を持つ。