第1072回 短期の運動 vs 耐糖能


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Medicine & Science in Sports & Exercise
50(10):2058-2066, October 2018
Glucose Tolerance is Linked to Postprandial Fuel Use Independent of Exercise Dose

目的:
代謝の柔軟性(可用性)やインスリン抵抗性に関連して耐糖能を改善する最適な短期エクサイズは明らかになっていない。したがって、ワークマッチさせた連続的エクササイズ(CONT)と断続的(INT)エクササイズが、臨床的に有意な脂肪の減少とは関係なく、インスリン抵抗性を低下させ代謝の柔軟性を高めることによって、前糖尿病の成人の耐糖能がいくらか改善するのかどうか調べた。

(参考)
代謝の柔軟性=代謝性要求に順応する能力
Metabolic flexibility is the ability to respond or adapt to conditional changes in metabolic demand. This broad concept has been propagated to explain insulin resistance and mechanisms governing fuel selection between glucose and fatty acids,


方法:
米国糖尿病学会の基準(75g OGTT and/or HbA1c )に従って被験者(年齢60.9 ± 1.4 歳、body mass index 33.5 ± 1.1)を検査し、CONT群(17名:70% HR maxで1日60分)またはワークマッチさせたINT群(14名:90% HR peak で 3分、50% HR peakで3 分で12セッション)に無作為に割り付けた。

(参考:運動強度)
Moderate~Hard 55~<70% HRmax
Hard 70~<90% HRmax
Very Hard ≧90% HRmax


VO2maxと体組成は各エクササイズの前後に測定した。
エクササイズの前後に180分の75g OGTTを行い、グルコース・インスリン・遊離脂肪酸を採取して、耐糖能(tAUC 180分)および全身と脂肪組織のインスリン抵抗性を算出した。 OGTTの0分、60分、120分および180分での安静時代謝量を測定(間接熱量測定)して、空腹時および食後の代謝の柔軟性を評価した。

結果:
CONT群およびINT群いずれも、V˙O 2peak ( P = 0.001) と耐糖能 ( P = 0.01) が改善し、空腹時の安静代謝量( P = 0.006)と全身/脂肪組織のインスリン抵抗性(both P = 0.02)が低減した。しかし、体脂肪には変化はなかった( P = 0.18)。
食後の安静時代謝量の増加はグルコースtAUC180分の低減と関連し( r = -0.38, P = 0.05)、180分の安静時代謝量の増加は全身インスリン抵抗性の低減と関連した(r = -0.42、P = 0.03)。

結論:
運動doseと脂肪減少とは無関係に、短期トレーニングは食後のエネルギー燃料(栄養素)使用の増進と相関して耐糖能を改善する。