第1143回 新型コロナウイルス感染症…マイメモ

2020/5/30アップデート
COVID-19に関する医学的情報メモをshareします。

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新型コロナNY重症患者の死亡リスク増加因子
The Lancet Ma19 2020
Epidemiology, clinical course, and outcomes of critically ill adults with COVID-19 in New York City: a prospective cohort study.

ニューヨーク市内2ヵ所の病院に入院した重症患者257名について前向きコホート試験を行った結果、高年齢、慢性肺疾患、慢性心臓病などが入院死亡リスク増加の独立リスク因子であることが確認された。年齢の因子では10歳増加ごとに死亡リスクは1.31倍(95%信頼区間[CI]:1.09~1.57)、慢性肺疾患は死亡リスクを2.94倍(95%CI2.94、1.48~5.84)、慢性心臓病1.76(95%CI:1.08~2.86)、高IL-6値(十分位増加ごとの補正後HR:1.11、95%CI:1.02~1.20)、高D-dimer値(同:1.10、1.01~1.19)だった。


PCR検査で偽陰性が多い期間は?
Annals of Internal Medicine
2020/5/13
Variation in False-Negative Rate of Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction-Based SARS-CoV-2 Tests by Time Since Exposure

新型コロナウイルスのRT-PCR検査の感度や特異度は十分に特定されておらず、偽陰性となる可能性が最も高い期間はよくわかっていない。今回、米国ジョンズ・ホプキンズ大学のLauren M. Kucirka氏らが7つの研究のプール解析を行ったところ、偽陰性率は、発症後3日目(感染後8日目)に最も低くなることがわかった。著者らは、偽陰性の可能性を最小限にするために、検査は発症から3日間待って実施すべきとしている。

偽陰性率
感染1日目が100%(95%CI:100~100%)
感染4日目が67%(95%CI:27~94%)
感染5日目(発症日)の偽陰性率は38%(95%CI:18〜65%)であった。
感染8日目(発症から3日目)の偽陰性率は20%(95%CI:12~30%)
しかし、感染9日目(21%、95%CI:13~31%)から再び増加し、感染21日目に66%(95%CI:54〜77%)となった。

なお、本研究の限界として、プール解析した基の研究のデザインの不均一性により、推定が不正確であることを挙げている。


2020/5/29アップデート

SARS-CoV-2 の診断:RT-PCR検査と抗体検査
PCRとはポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)の略で、DNAポリメラーゼを用いてDNAを増幅するアプリケーションです。RT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)は逆転写酵素を用いてわずかなRNAをDNAに変換し増幅させる。

JAMA 2020/5/6
Interpreting Diagnostic Tests for SARS-CoV-2

RT-PCR
cycle threshold (Ct値)40未満が臨床的にSARS-CoV-2陽性と報告される。
感染3週間までにRT-PCR陽性は減弱し始め、検出できなくなる。ただし、重症患者のCt値は軽度の症例のCt値よりも低く、PCR陽性は、発病後3週間を超えても持続し、ほとんどの軽度の症例では陰性の結果が得られる。
ウイルスRNAが陽性検査後6週間を超えてもRT-PCRによって検出されるケース、また、2回連続(24h間隔)陰性PCRテスト後に陽性となったケースが報告されている。これがテストエラー、再感染、または再アクティブ化であるかどうかは不明である。
RT-PCR陽性は、ウイルスのRNAが存在する所見であって、viable virus の存在をかならずしも示すわけではない。

抗体検査
第3週から第4週ですべての患者のIgMとIgGのseroconversion が認められる。IgMは5週目までに低下しはじめ、7週目で消失する。IgGは7週を超えて陽性が持続する。
nucleocapsid (NC) antigen に対する抗体の検出の感度sensitivityは、single PCR testより最も高い(98.6% vs 51.9%)
receptor-binding domain of S (RBD-S) proteinは特異度specificが高く、RBD-Sに対する抗体は中和抗体としての役割を期待されている。
抗体はSARS-CoVや他のコロナウイルスとのcross-reactivity (交差反応)の可能性がある。


藤田医科大学からアビガン中間報告
この観察研究は、同じ条件下で薬剤の投与群と非投与群を比較した臨床試験ではないので、効果を同定することは出来ません。通常の診療行為の中で患者に薬剤を投与した経過や結果などを集めて評価したものです。

全国の407医療機関でファビピラビルを投与した2,158例の経過を解析した結果、投与開始から14日目に軽症患者の88%、中等症患者の85%で改善が見られた一方で、重症患者では60%にとどまった。死亡率は重症例では32%に上り、高齢者で顕著に高かった。COVID-19は8割以上が軽症で自然軽快する例も多いため、同薬の有効性について「慎重に結果を解釈する必要がある」と結論している。また、副作用としては尿酸値上昇・高尿酸血症や肝障害といった既知のものが多く見られた。


COVID-19治療薬クロロキン/ヒドロキシクロロキンは効果なし
Lancet 2020/5/22
Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis
クロロキンやヒドロキシクロロキンは、時には第2世代のマクロライド系抗菌薬(アジスロマイシンやクラリスロマイシンなど)と併用で、COVID-19患者の治療に用いられている。
米国Harvard大学医学部のMandeep R Mehra氏らは、国際的なCOVID-19患者登録のデータを分析し、これらの薬を投与された患者の死亡率減少効果が見られず、心室性不整脈のリスクは有意に増加していたと報告した。


2020/5/28アップデート

深紫外線LEDでコロナを不活化…MSNニュース 2020/05/27
宮崎大は27日、医療機器メーカーの日機装(東京)との共同実験で、同社が開発した短い波長の紫外線「深紫外線LED」の光を照射したところ、新型コロナウイルスの感染力を低減させ、不活化するのに有効との結果が出たと発表した。宮崎大は、病院での院内感染を防ぐ技術として応用が期待されると指摘した。
新型コロナウイルスを含む液に深紫外線LEDの光を30秒照射し、3日間培養させて感染力を測定したところ、99.9%以上減ったことが確認された。
深紫外線はアレルギー物質の除去などに効果があることが既に報告されており、日機装の空間除菌消臭装置「エアロピュア」に用いられている。


2020/5/27アップデート

年齢や性に加えて、貧困や人種といった社会人口学的要因もCOVID-19の危険因子
Lancet Infect Dis.
2020 May 15
Simon de Lusignan et al.
2020/1/28~4/4に英国プライマリケアでCOVID-19の検査を受けた3,802人(陽性は587人)を対象にCOVID-19の危険因子を解析した。
そ結果は次の通り:
男性は女性よりもリスクが高い(18.4% vs 13.3%、調整オッズ比OR 1.55)
年齢は40〜64歳が17歳以下の約5.3倍で最も高リスク(18.5% vs 4.6%、同5.36)。人種では黒人が白人の約4.8倍(62.1% vs 15.5%、同4.75)
都会の住民は田舎の住民の約4.6倍(26.2% vs 5.6%、同4.59)
最貧困地域は非貧困地域の約2.0倍(29.5% vs 7.7%、同2.03)
基礎疾患については、慢性腎臓病と肥満が危険因子として同定された(各調整OR 1.91及び1.41)


2020/5/26アップデート

BMJ brief report 2020/5/13
Vitamin D and SARS-CoV-2 virus/COVID-19 disease
ビタミンDは、日光を浴びた際に皮膚で生成されるホルモンであり、骨、歯、筋肉を健康に保つために必要な体内のカルシウムとリン酸塩の量の調節に役立つ。
しかし、ビタミンDの高用量補給とCOVID-19の予防または治療への有効性はRCTによる実証で明らかになっておらず、耐用上限量4000IUを超えるビタミンDの過剰摂取には健康被害が懸念される。
また、ビタミンD不足と急性呼吸器感染症の関連が明らかになっているが、これらの研究のうち大多数は、開発途上国の人を対象に行ったものであるため、外的要因の影響も考えられ、先進国にそのままあてはめることはできないとしている。

当ブログが推奨しているのは、“食事+日光浴+サプリ”で4000IU(耐用上限量)をこえない適正量であることは御貴承の通り。


2020/5/21アップデート

巷間では新型コロナウイルスに有効なワクチンの開発が直ぐにでも期待できそうなニュースが流れていますが、フィラデルフィア小児病院のワクチン教育センターの責任者であり小児科の教授でもあるポールオフィット博士は、『ワクチン開発は平均して20年かかる。ウシ・ヒト再集合体のロタウイルスワクチンであるRotaTeqをつくるのには26年かかった。通常では、新薬の有効性を検証するための概念実証(PoC:Proof of Concept)、次に数百人から数千人を対象とした大規模な投与量決定試験、そしてFDAライセンス試験として通常は前向きプラセボ対照試験が行われる。12~18ヶ月でやろうとするとこれら主要なステップをスキップしなければならず危険である』と語っています…Medscape May4 2020 “The COVID Vaccine Timeline: Is 12-18 Months Realistic?”


2020/5/20 アップデート

治療薬アビガンに有効性なし…共同通信社 2020/05/19 23:58
新型コロナ感染症の治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが19日に分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした。感染した著名人がアビガンの投与後に回復したと公表し、首相は「5月中の承認を目指す」とするが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況だ。
アビガンは催奇形性の問題などがあり、専門家からは「効果や安全性を十分確認せずに進むのは納得できない」「月内の承認方針は前のめりだ」との声が出ている。


2020/5/19 アップデート

 未感染者の半数すでに免疫?...米研究、過去の風邪が経験か 
2020年5月19日 読売新聞
新型コロナウイルスにまだ感染していない人の約半数が、すでに免疫を一定程度持っている可能性があるとする研究結果を米ラホイヤ免疫研究所の研究チームが近く米科学誌セルで発表する。過去に他のコロナウイルスに感染した経験が影響したとみられている。感染や重症化をどの程度防ぐ力があるかは不明だ。
研究チームは、流行が始まる前の2015~18年に米国で収集された20~60歳代の保存血液20人分を調べ、約半数から新型ウイルスを認識する免疫細胞「ヘルパーT細胞」を検出した。
ヘルパーT細胞は、「免疫の司令塔」とも呼ばれ、ウイルスを攻撃する抗体を別の免疫細胞「B細胞」に作らせるなどの役割がある。研究チームは、風邪の原因となる通常のコロナウイルスに感染した経験によって、免疫系が新型ウイルスも認識できるようになる「交差免疫」が起きたと考えている。
新型ウイルスによる感染症は、多くの人が無症状や軽症であることが知られる。奥村康・順天堂大特任教授(免疫学)は「コロナウイルスに感染することが多い子供が、新型に対して重症化しにくいことも、交差免疫で説明できるのではないか」と指摘する。
コロナウイルスに詳しい水谷哲也・東京農工大教授(ウイルス学)は「交差反応があったとしても、新型コロナウイルスへの防御力がどれだけあるかは分からないので、さらに研究が必要だ」と話している。


2020/5/18 アップデート

季節、学校閉鎖、公衆衛生介入がCOVID-19パンデミックに与える影響力

CMAJ 2020 May 8
Impact of Climate and Public Health Interventions on the COVID-19 Pandemic: A Prospective Cohort Study

カナダToronto大学Peter Jüni et al.は、世界144カ国・地域のアウトブレイク事例37万5,609件を対象に前向きコホート研究を行った。

2020年3月7〜13日における地域(緯度)、気温、湿度といった季節性や学校閉鎖、集団形成の制限、社会的距離の確保といった対策と、2020年3月21〜27日の追跡期間におけるアウトブレイクの累積発生件数との関連を検討した。

緯度および気温とCOVID-19の感染拡大に関連は示されなかったが、相対湿度〔RRR 0.91(95%CI 0.85〜0.96)〕および絶対湿度〔同0.92(0.85〜0.99)〕では、弱いながらも負の関連性が認められた。
一方、学校閉鎖や集団形成の制限、社会的距離の確保といったエリアごとの公衆衛生的介入は強い関連を示し、単一よりも複数の介入を組み合わせる方がより効果的であることが明らかになったと結論している。

マイコメント:大半の国・地域は北半球の海面近くに位置し〔緯度38.4度〕、気温中央値は12.8℃、相対湿度中央値は69.0%、絶対湿度中央値は7.1g/m3です。当ブログが取り上げたアラブ首長国やサウジアラビアについては触れられていません。


JAMA
May 13, 2020
SARS-CoV-2 Rates in BCG-Vaccinated and Unvaccinated Young Adults

イスラエルTel Aviv大学のUri Hamiel et alによる研究
BCGワクチンを接種した人と接種していない成人において、新型コロナウィルスIgG抗体の検査を実施したところ、陽性率に差は無く、予防効果は認められなかった。


2020/5/3 アップデート

毎日新聞 2020/05/03
外来患者の2.7%に新型コロナの抗体
神戸中央市民病院は、新型コロナウイルスとは関係のない症状で4月7日までの8日間に外来を受診した患者1000人の血液を調べたところ、33人に過去に新型コロナウイルスに感染したことを示す抗体があった。
国勢調査による神戸市の人口(約151万人)を元に計算すると、4月上旬の段階で約4万人が感染していたことになる。


Medscape 2020 Apr30
How Many Hospitalized Patients With COVID-19 Die?
英国、2月6日~4月18日の間に入院したCOVID-19患者17,000人の内33%が死亡した。心血管疾患や糖尿病の併存疾患に加えて、肥満が有意なリスクファクターであることが確認された。


2020/05/02アップデート

新型コロナの初期症状:咳、熱の次に多いのは筋肉痛
JAMA 2020/4/30
Symptom Screening at Illness Onset of Health Care Personnel With SARS-CoV-2 Infection in King County, Washington
SARS-CoV-2に感染した医療施設勤務者48人に電話インタビュー
初期症状で最も頻度が高かったのは咳(24人、50%)、発熱(20人、41.7%)、筋肉痛(17人、35.4%)
その他には悪寒、喉の痛み(各7人、14.6%)、鼻汁(6人、12.5%)、息切れ、不快感(各5人、10.4%)、下痢(3人、6.3%)などが見られた。
初期に発熱と咳、息切れ、喉の痛みがなかったと8人(16.7%)で多く見られた初期症状は悪寒、筋肉痛、鼻汁、倦怠感だった。


2020/5/1 アップデート

非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)イブプロフェン

Lancet Mar11 2020
Are patients with hypertension and diabetes mellitus at increased risk for COVID-19 infection?
イブプロフェンとは、非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)です。
神経医であるフランスの厚生大臣Dr Olivier Veran氏が、イブプロフェンなどのNSAIDsと言われる「消炎鎮痛解熱剤」は新型コロナを悪化させる。
熱がある場合はパラセタモール(別名:アセトアミノフェン)を服用することを推奨するとツイートしました。

WHO 2020/3/20
“The use of non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) in patients with COVID-19”
WHO(世界保健機構)は2020年3月17日、新型コロナの場合はイブプロフェンは避けるように勧告しました。しかし、2020年3月20に「控えることを求める勧告はしない」と前言を撤回しました。その理由をWHOは次のように言っています:
『インフルエンザの時に、NSAIDs(ロキソニン・イブプロフェン、バファリン、アスピリンなど)を内服するとインフルエンザ脳症になる恐れが高まる。新型コロナに関しては、イブプロフェンは避けたほうが良いというエビデンス(科学的証拠)は今の処ない』ということです。

因みに、わが家の常備薬ルルアタックEXにはイブプロフェンが含まれていました。


Harvard Kennedy School/misinformation review
2020/4/20

ビタミンCの摂取がSARS-CoV-2発症を予防すると言うのは誤報である。
ビタミンCサプリは普通の風邪の予防さえできないことは、Cochrane 2013メタ解析で確認されている。


日経メディカル
2020/4/30
国立病院機構仙台医療センター西村医師

PCR検査数を増やせという巨大な圧力によって実際に増えているのは、検体を採取する場所と人、検査に必要な機器のみ
技術力が求められるPCR検査員は限られている

RT-PCR反応に必要なプライマー、プローブそして陽性コントロールは感染研から潤沢に配布されていて問題ない。
問題はRNA抽出キットがすべて輸入品で在庫が潤沢でない。
国際的争奪戦が繰り広げられ、日本はその競争に完全に乗り遅れ、入手が難しくなってきている。


2020/4/30アップデート

COVID-19とは、2019年から大流行したCoronavirus Diseaseのことで、新型コロナウイルス感染症と呼ばれる。

SARS-CoV-2とは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2( severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)でコロナウイルスのひとつです。


夏に向かって気温や紫外線の上昇でCOVID-19感染は鈍化するのか?

Yao Y, et al 欧州呼吸器学会誌 2020/4/8
平均気温や紫外線量が増加しても、COVID-19の累積発症率やR0値に変化は見られず、有意な相関性が示されなかった。つまり、COVID-19の感染拡大は気温の上昇や紫外線量の増加に伴って変化しない

Jingui Xie, et al Science of the Total Environment 2020/3/30
平均気温が3度未満であった場合、気温が1度上昇するごとに、1日あたりのCOVID-19 患者の変化率は4.861%(95%信頼区間3.209~6.513)と有意に増加した。しかし、平均気温が3度を超えた場合では、気温が1度上昇するごとに、1日あたりのCOVID-19 患者の変化率は−0.750%(同−3.022~1.522)と、わずかな減少傾向にあったものの、有意な減少を認めなかった。


欧米で「川崎病」の子供が増加 新型コロナが引き金か?
共同通信社 2020/04/30
欧米各国で、主に乳幼児がかかることで知られる「川崎病」と診断されたり、似た症状を訴えたりする子供が増えていることが分かった。医師らは新型コロナが引き金になっている可能性を指摘、集中治療が必要なケースもあるという。
全身の血管に炎症が起こる川崎病は目の充血や発疹などの症状が出るのが特徴。

UK Kawasaki Disease Foundation/Societi Scientific Advisory Board
2020/4/28
COVID-19/川崎病について問い合わせが殺到している。
メディア記事の多くは間違っている。
報道されている症例は英国の子供1,150万人のうちの20人
そのうち半数はCOVID-19検査で陰性
川崎病の羅疾歴ある子供たちへの感染及び発症率が高いというエビデンスはない。20症例はすべて新たな急性疾患で、この数字は例年に比べると低い。川崎病は冬と春にピークを迎える季節性炎症性疾患である。
これまでに川崎病の環境因子として、多数のウイルスや細菌が候補に挙げられているが、単一が引き金となるとのエビデンスは無い。
また、殆どの症例で感染が原因であることも同定されていない。


Diabetologistnote 2020/4/20
SARS-Cov2 は細胞膜上のACE2に結合、ACE2 の細胞膜上の発現を低下させる…出典:Bavishi C et al./JAMA Cardiol. 2020 Apr3

高齢者が重症化しやすい理由
加齢 aging と心血管疾患CVDによりACE2 活性は低下する。
2003 年、sever acute respiratory distress syndrome SARS で30歳代から40歳代の罹患率は高かったが、重症度と死亡リスクは低かった。
疾患の発症と重症度を決める因子としてACE2レベルとangiotensin II が想定された。加齢 aging と心血管疾患CVDによりACE活性は低下しやすい。
若年者ではACE2活性が高くangiotensin II signaling が減弱し、高齢者でCVDがある場合、ACE2活性は低く、angiotensin II signaling は亢進している。
COVID-19による肺炎でもウイルス量 viral load とLung injury に比例してangiotensin IIが増加していた。出典:AlGhatrif M et al./JAMA Cardiol. 2020 Apr32

レトロスペクティブなスタディで、高血圧がありACEI/ARBを服用しているCOVID-19による入院患者の全死亡率は非服用者に比べ低い。出典:Peng Zhang et al./Circ Res. 2020 Apr17



2020/4/27↓

Lancet
April 20, 2020
Endothelial cell infection and endotheliitis in COVID-19

COVID-19の危険な兆候として、呼吸器疾患に加えて心血管併存疾患が浮上!
COVID-19は全身の血管内皮に感染する。

SARS-CoV-2は、肺・心臓・腎臓・腸などの臓器で発現するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を介して宿主に感染する。
ACE2は血管内皮にも出現する。

COVID-19の血管障害がウイルスを介した内皮細胞の関与に因るものかどうかはわかっていない。
SARS-CoV-2は、3次元的に試験管内 (in vitro) でつくられた 臓器 (オルガノイド)に直接的に感染する。

この研究では、COVID-19患者3名の剖検で、さまざまな臓器の血管床に内皮細胞の関与が認められた。
患者1は71歳の男性で、冠状動脈疾患と動脈性高血圧症だった。
患者2は58歳の女性で、糖尿病、動脈性高血圧症、肥満だった。
患者3は69歳の男性で、COVID-19に感染し呼吸不全となり、人工呼吸が必要だった。

COVID-19は呼吸器系に感染するウイルスだと思われていたが、複数の臓器に亘って損壊が生じていることが認められた。
この研究は、高齢者や冠動脈疾患、糖尿病、高血圧、肥満などの持病がある人が重症化するという医学的理由をサポートする。


Medscape
April 25, 2020
COVID-19 Daily: Stroke in Young Adults

ニューヨークMount Sinai Health Systemからの症例報告:
50歳以下のCOVID-19患者で2週間に5例の大血管脳卒中が発生
ウイルスが血液凝固のプロセスを介して病気を引き起こすのは驚くべきことだと言っている。


JAMA
April 24, 2020
Management of COVID-19 Respiratory Distress

COVID-19は主に血管内皮を損傷する全身性疾患である。
専門的かつ個別に管理されない場合、ARDS(CARDS)のCOVID-19患者は、高齢や併存症でない場合でも、多臓器不全の発症リスクがある。
COVID-19肺炎はHタイプとLタイプがある。
激しい吸気努力による肺の障害を、patient self-induced lung injury [P-SILI])と呼ぶ

COVID-19 patient with ARDSをCARDSと呼ぶ。
CARDS にはP-SILI防止が重要

日本呼吸器学会
ARDSとはどんな病気ですか?
ARDSの治療法は?



Minerva Anestesiol. 2019 Sep;85(9):
Patient self-inflicted lung injury (P-SILI): implications for acute hypoxemic respiratory failure and ARDS patients on non-invasive support.

最近のデータでは、急性低酸素性呼吸不全およびARDS患者の肺障害を悪化させるメカニズムとして、P-SILIが示唆されている。
P-SILIは激しい吸気努力によって発生する。


2型糖尿病は心血管系の危険因子である。先行研究で血管内皮機能の障害が糖尿病と関連付けられている。運動は2型糖尿病の管理に不可欠ではあるが、2型糖尿病患者のエクササイズトレーニングと内皮機能との関連は?

「有酸素運動」および「有酸素運動+筋トレ」いずれも2型糖尿病患者の内皮機能は改善するが、効果サイズは小さい。
















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